シャーリングタオルとは？メリット・デメリットと生地の質感を活かしたグッズ制作のコツ

シャーリングタオルの特徴

「シャーリングタオル」とは、ループ状に織った糸の先端を刈り込み、平らに整えたパイル生地から作られたタオルです。一般的なシャーリングタオルは、表側のみシャーリング加工が施されています。この加工によって生まれる、ベルベット（ビロード）調の独特の質感が特徴です。

シャーリング生地の種類

シャーリング生地の加工技術には、主に次の3種類があります。

最もポピュラーなのは全シャーリング加工のタオル。手間がかかる分、なめらかな質感で、デザイン性にも優れます。 一方、半シャーリング加工は生地にあえてまんべんなく刈り残しを作っており、デザインの再現性は劣るものの、価格がリーズナブルです。 そしてスチームシャーリング加工では、無撚糸を織り込んだ生地の一部をスチームで縮ませ、それ以外の部分にシャーリング加工を施しています。糸の凹凸とカットでデザインを表現することから「シャーリングジャガード」とも呼ばれ、とても人気の高い生地です。

シャーリング生地とパイル生地の違い

「パイル生地」とは、糸をループ状に織り込んで作られた生地の総称です。丸いループ状の糸を示す英語「パイル（pile）」から名前がつけられました。つまり、シャーリング生地はパイル生地の一種。ループ糸の先を刈り込み、デザインの再現性を高めています。

シャーリングタオルとジャガードタオルの違い

シャーリングタオルとジャガードタオルの違いは、デザインの表現方法にあります。「ジャガードタオル」とは、その名のとおりジャガード織りで作られたパイル生地から作られたタオルです。糸の配色や凹凸といった織り方でデザインが表現されており、インクによるデザイン印刷は施しません。一方、一般的なシャーリングタオルはデザイン印刷が前提です。加工で表面が平らに整えられているため、鮮やかな発色と繊細なデザインが表現できます。

肌触りがなめらか

シャーリング加工が施されたタオルの表面はとてもなめらか。毛羽立ちや引っかかりが少なく、すべらかな肌触りです。ファイスタオルやバスタオルなど、幅広い用途のタオルに使用されています。

高級感がある

シャーリングタオルは、毛先をカットすることで、艶やかで光沢のある質感に仕上がっています。また、カットによる毛羽落ち防止に通常より糸が多く使われるため、高級タオルの一種としても有名です。

軽くてかさばらない

毛先を刈り込んでいるシャーリングタオルは、一般的なパイル生地より軽量です。また毛足が短い分、コンパクトに折りたためます。収納や持ち運びに便利なので、普段使いはもちろん、スポーツシーンやアウトドアなどの用途にも最適です。

デザインプリントが映える

シャーリングタオルは表面が平坦に整えられていることから、印刷したときの仕上がりが抜群です。細部までこだわったプリントや、グラデーションといった複雑なデザインでも鮮明に再現できるでしょう。また、生地自体の表面に光沢感があるため、プリントの仕上がりがよりつややかできれいに見える効果もあります。

吸水性に劣る

シャーリングタオルは、パイル部分をカットしている分、生地全体の厚みと面積が減るため、吸水性が下がります。とはいえ、あくまで通常のパイル生地との比較であり、使用時の性能に問題が生じることはほとんどありません。ただ、大量の水分の吸収を想定したタオルを制作する際は、シャーリングタオルは避けるほうが無難です。

毛羽落ちしやすい

シャーリングタオルは繊維が短く加工されているため、洗濯時に毛羽落ちが発生しやすくなります。また、強く引っ張ると毛が抜けやすい傾向にあるため、取り扱いに注意してください。